【人工知能について】#3:人間の知を機械で再現する

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本を読んでいて、興味深かったことを備忘用に記録する。
読んでいた本は以下

興味を引いたのは、本書の以下の部分である。

コンピュータは可付番無限の中においては種々の無限を取り扱うことができることを述べた。無限をどう扱えるかにこそ本質的な問題があり、有限の対象はそれがいくら膨大であっても、それらを一つずつ数えあげてゆけばよいのである。 数学の入学試験問題にはいろいろなタイプのものがあるが、もしそれらの数が有限個しかなければ、これらすべての問題を列挙し、あらかじめそれらに答を与えておけばよい。問題が与えられたら、同じ問題がどこにあるかを探し、その答えを取り出すだけでおしまいである。しかしこのような丸暗記の方法では、数学の問題を解くという意味がなくなってしまう。 では問題を解く能力をやしなうのは何のためか。それは問題の数が有限でなく常に新しい問題が考え出されるからである。このような無限の可能性のある場合は、あらかじめ解答を表の形にして丸暗記するという方法は不可能となってしまう。やはり正しく問題を解く力を養っておかなければならないわけである。つまり無限を作り出す能力を身につけねばならないのである。

単に知識を問う問題に対しては、予めその知識を与えておけばよい。では、例えば数学のように、問題を考えて解く場合にはどうか。人工知能が東大入試を受ける話がよくニュースになるが、数学の問題を人工知能に解かせる例が上記である。

問題が有限個であり、その回答を記憶させれば、入試問題としては解けたことと同じであるが、それは果たして数学を理解して解いたと言えるのか。問いに対する回答を用意するのと、問われていることを理解して答えまでのプロセスを考えるのは明らかに違う。これは、答えを記憶させるだけの「機械の知」と「人間の知」とを分かつものであり、機械に知性を持たせるための一つの課題となる。

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